2007年07月10日
15-40とダウンザライン
さすがのフェデラー。
おおかたの予想通り(?)、5連覇を達成しました。
多くの観客もその瞬間を待ち望んでいたと思うし、私自身もそうでした。
でも、決勝戦は大変な試合…。
あの場面。
ファイナルセット1-1,そして2-2での15-40。
観客席、全世界のテレビの前、み~んな、
「ヤバイぜ!」「キャ~!やめてぇ!」「危ね~!」「終わりだぁ!」などと、
マイナスのオーラを出しまくっていたとき…。
フェデラーさん(笑)
いくらサーブを持っているとはいえ、追い込まれて精神的にも肉体的にも極限状態のはずなのに、淡々と、しかし鮮やかなショットでしのぎ、結局キープしてしまいました。
あたかも、後に来るクライマックスへの盛り上がりを演出しているかのようにさえ思えてしまいます…。
彼はいったい、15-40で何を考えているのでしょうか?
「このポイントを落としたら、もうダメだ!」とか「なんで、あんなショットを打ったのだろう?」などという悲観的な考えは微塵もない?
あくまで、次のポイントを獲るための状況判断と、ショットの選択枝を分析しているのでしょうか?
それとも考えを無にして、身体がどんなボールに対しても反応できるように集中力を研ぎ澄ましているのか…?
凡人の私には、この程度しか思い浮かびません。(笑)
試合後のインタビューでは、「ラッキーだった」と応えるのみでした。
いずれにしても、結果としてブレークできなかったナダルの方に、
「がっかり」感と、「やはり、スゴイ!」感を与えたに間違いありません。
そして、直後の3-2で迎えた第6ゲーム。
今度は逆に、ナダルのサーブで15-40。
ここでフェデラー、あの回り込んでの鮮やかなフォアのダウンザライン!
そして雄叫び!!最高潮!
観ていて身震いするような瞬間でした。
あとは、流れるようにゲームは進み、フェデラーが勝利を収めました。
フェデラーのテニスは「直線で魅せる」テニスだと思います。
アングルに糸を引くように放たれるバックハンド。
そして、ここぞというときに打ち込まれるダウンザライン。
非常に直線的にラインを横切り、またラインをなぞるその弾道は、
観ていてとても爽快です。
対するナダルは「曲線で魅せる」テニス。
コートのはるか彼方からループを描いて、唸りをあげてコーナーに突き刺さる。
そのパワーに圧倒されます。
もちろんウィンブルドンの芝の上ではあまり下がらずに打ち合っていましたが…。
でも、ナダル。凄かった。
よく「進化している」という評価を聞きますが、
フェデラーとの決勝戦でのナダルはまた、特別なような気がします。
先の記事で、ナダルではない新しい若手の新星を期待するような内容を
書いてしまいましたが、
この分だと当分この二人の時代が続くように思いますし、
今回の対戦で、ますます実力が拮抗してきたと思います。
また、とても面白い対戦が期待できそうです。
あ~、でもホントに面白い試合でした。
やっぱりウィンブルドンの決勝戦は、こうでなくっちゃ!
また来年も、夜更かししましょうね~♪